木造構造には換気・通気?
2×4工法住宅に限らず在来工法住宅でも、木造構造には換気や通気が必要です。
ここで言う「換気」とは、室内で行う24時間換気のことではなく、
木造構造が湿潤状態にならないよう行う空気の入れ替えのことです。
木造構造に対しての「換気」の他に「通気」と呼ぶこともあり、チョットややこしいので、
「換気」と「通気」の違いをおさらいしておきます。
換気とは、
比較的大きな空間にある空気の湿潤状態を解消するために行う空気の入れ替えを
「換気」と呼びます。小屋裏(屋根の中)、床下(基礎の内側)の換気があります。
通気とは、
小さな隙間に空気を流し、構造体を空気に触れさせる事を「通気」と呼びます。
空気に触れ、湿気を排出する目的です。外壁通気とか屋根通気などがあります。
屋根の換気・通気はちょっと複雑で、屋根の△空間を部屋の一部として使う場合は、
「屋根通気」、屋根の△空間は使わない水平な天井の場合は「小屋裏換気」となります。
上の図で示すように壁の外側には「外壁通気」、床下には「床下換気」があり ます。
【呼吸する?壁】
次に、室内と「木造構造に対しての換気・通気」の関係について考えます。
室内の空気を入れ替える「24時間換気」とは空気的に繋がらず、混ざりません。
ただし、湿気は遮ることができないので、対策を講じなければ双方向に移動します。
実は、これがかなり問題です。
夏の外気は湿度が高く、冷房に負荷がかかるのでできるだけ室内に入れたくないし、
冬は室内の湿気が壁や天井を抜けて断熱材に達すると結露を起こす原因となる為、
移動させたくありません。
その対策として、
弊社では室内側に防湿気密シートを張り、湿気が室内→壁中に行くのを防いでいます。
同様に2階天井→小屋裏に水蒸気が行かないように天井に防湿気密シートを張ります。
しかし、完璧には湿気(水蒸気)の移動をゼロにできないので、「外壁通気」や
「屋根通気」「小屋裏換気」が必要と言うわけです。
私は、室内側の防湿気密シート張を行わず、自由に壁内に湿気が出入りする状態は、
木造構造には適さないと考えていますが、それを「呼吸する壁」と称して夏の湿気を
敢えて壁に吸わせる状態を放置している業者がいます。
この場合湿度は外より室内の方が低いため、外から水蒸気の流入が起こっています。
※ 室内の湿度が外より低いのはエアコンで冷房をすると湿度も低下するため。
夏の外気の水蒸気量は大変高いため、室内にはどんどん水蒸気が入ってしまいます。
エアコンは水蒸気を処理するため、フル回転で結露水を作り外に排出しているのです。
それでは、まるで加湿器を動かしながら冷房している状態と思いますが、如何ですか?☘️
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