劣化対策について考える②

住宅を90年持たせるには、部材の取り換えやすさが大事だと前の記事で書きました。
理由は90年持つ外装建材は存在しないので、90年のどこかで交換する必要があるからです。

「瓦屋根なら90年持つんじゃない。」
瓦は持つかも知れませんが、それを支える下地(野地板)はどうでしょう。

 

野地板は雨にも結露水にもさらされる(可能性がある)重要な建材だと知ってましたか?

雨水の防水は分かりますが、結露水は気が付かない方も多いので、説明します。

 

室内の空気には多くの水蒸気が含まれています。
料理やお風呂、燃焼型の暖房機器、発汗・呼気からも水蒸気は発生します。
(冬季の過乾燥を嫌った過加湿も大きな問題です。)

水蒸気は室内を上昇し、やがて屋根(天井)の断熱材に到達します。
その時、水蒸気をせき止める気密シートを張っておくか、断熱材が含んだ湿気を除去する仕組みがないと、
冬の夜、屋根が冷えて屋根下地(野地板)の裏側で結露を起こします。

上からの防水、下からの水蒸気による結露水に侵されることがあると、屋根下地(野地板)を交換しなければなりません。

 

ここで、壁は2重構造にするのに屋根は2重構造を施さないのかと言う疑問が沸きます。

そうです。屋根下地(野地板)も2重にしてあげれば、
上の野地板は防水専用
下の野地板は結露専用と考えることができ、対策を施し易くなります。

弊社のモデルハウスでは、この考え方の元、2重屋根構造にしました。
上の野地板と下の野地板の間は通気層を取ります。
そうする事で、屋根の内側に溜まった湿気を外に排出する事が出来ます。

2重屋根構造はまた、夏の暑さ対策としても有効なので、夏は暑さ対策、冬は結露対策になり
野地板の交換を行わなくても90年持つ構造になると考えています。

費用が掛かる工法なので、今だ実績は2棟ですが、これからは増えて来ることでしょう。😁


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