HEAT20のG3が0.26な訳②
前回、SankiHausの2×6住宅はHEAT20に当てはめると G2.5 に相当するとお話しました。
住宅の性能の一つである、外皮性能(熱を逃がさない能力)はUA値で示されます。
そこで静岡市の属する地域区分7を見ると、
G1=0.56、G2=0.46となっていて、G3=0.36が来るかと思いきや、G3=0.26になり、
G2との差が0.2もあります。
なんでこんなに大きくジャンプするのだろう。
そこで、この理由を調べて見ました。
「HEAT20 設計ガイドブック2021」によりますと、HEAT20を作る際のコンセプトに
住宅シナリオがあります。
住宅シナリオとは、
暖房の方式が部分間欠暖房か全館暖房か、とか、暖房しない部屋の最低室温を10℃または
13℃以上にキープできるかなど、求める性能と住まい方を言います。
そして、家の機能を判断する要素として、
要素①、エナジーベネフィット(エネルギー消費量)
要素②、ノンエナジーベネフィット(室温)
の二つを挙げています。
ノンエナジーベネフィット(室温)は少し複雑です。
北海道と東北の最北部をのぞくエリア(3地区以南)では、部分間欠暖房が基本です。
北海道と東北の最北部(1,2地区)は連続暖房運転が基本であり、全館暖房も行います。
従って、1,2地区では当然エネルギーを沢山使いますし、各部屋室温も高いです。
3地区以南では部分間欠暖房が基本の為、暖房のない部屋があり、自然室温になります。
その自然室温において13℃を下回らないのが、G2のUA値=0.46(7地区)だそうで、
G1は概ね10℃を下回らない条件で、UA値=0.56(7地区)となっています。
G1、G2のエネルギー消費量をグラフにするとこの様なイメージです。
そしてG3ですが、こちらは3地区以南で自然室温において15℃(一部16℃)を下回らないのが
条件になり、これを実現するためにはG3(7地域)=0.26(UA値)と定め、G2より
0.2も少ないUA値が求められています。
弊社の2×6住宅をG3のUA値=0.26まで高めるには、付加断熱を施さねばならず、
かなりのコストアップになってしまいます。
上記グラフの消費エネルギーのカーブを見ると、エネルギー消費量の減少幅は、
性能を高めても次第に緩くフラットになってきますので、大きく下がりません。
弊社の2×6住宅のUA値=0.34(平均値)で、G3のUA値とはその差が0.08ありますが、
コスパの良い選択だと思います。☘️
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