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普通のエアコンで全館空調 ~「U-LAC」と「YUCACO」を比べてみた~
全館空調というと、大手ハウスメーカーの専用システムで何百万円もかかるイメージを持つ人が多いと思います。
一方で、最近は「普通の壁掛けエアコンを使って、家じゅうをならす」タイプの全館空調が増えてきました。
その代表格としてよく名前が挙がるのが
- 静岡のサンキハウスが採用する「U-LAC」(diyhome.co.jp)
- 大風量小温度差空調で知られる「YUCACOシステム」(yucacosystem.co.jp)
の二つです。どちらも「普通のルームエアコン」を核にした全館空調ですが、考え方と体感はすこし違います。
まずは共通点。(専用全館空調と何が違うのか)
先に「普通の壁掛けエアコンを使う全館空調」と、「ハウスメーカーの専用全館空調」との違いを押さえておきます。
大手ハウスメーカーの全館空調は、多くが
- 天井裏や機械室に専用の空調ユニットを置き
- 太いダクトを家じゅうに張り巡らせて
- 24時間、家全体を一括管理するセントラル空調方式(toyotahome.co.jp)
という構成です。
メリットは「ブランド力があり、窓口もひとつ」という安心感ですが、
- 専用機ゆえに初期費用が高い
- 将来の更新や修理がそのハウスメーカー依存になりやすい
- 機器交換が簡単ではなく、数十年スパンで見るとリスクもある(lhouse.co.jp)
といった弱点もあります。
これに対して、U-LACやYUCACOは
- 市販の壁掛けエアコンを使う
- その代わり、建物性能(断熱・気密)と空気の流れ方の設計で「全館」を実現する(diyhome.co.jp)
というアプローチです。
普通のエアコンなので
- 機器価格と交換コストが抑えられる
- 将来、別メーカーのエアコンに載せ替えやすい(lhouse.co.jp)
一方で、建物側の性能や設計の巧さがないと成立しない、という“設計力勝負”の世界でもあります。
YUCACOシステムは“ダクトありの大風量方式”
YUCACOシステムは、簡単に言うと
「空調室+送風ファン+床下チャンバー(+一部ダクト)で、家じゅうを大風量でかき混ぜる全館空調」
です。(jstage.jst.go.jp)

ざっくりした仕組み
- 2階などに「空調室」という専用スペースをつくる
- そこに壁掛けエアコンと送風ファンをまとめて設置
- 空調室で冷やした(暖めた)空気を床下のチャンバーあるいはダクトを通して、
各部屋の吹き出し口から送り出す - 各部屋からの戻り空気も別ルートで空調室に戻し、
ぐるぐる循環させる「大風量小温度差」の仕組み
床下そのものを“巨大ダクト”のように使いつつ、
必要なところにはきちんとダクトを通して、空気の流れをコントロールしています。
住み心地のイメージ
- どの部屋に行っても、温度ムラがとても少ない
- 家全体で“そよそよ”空気が動いている感覚がある
- 吹き出し口やリターングリル付近では、わずかに風や音を感じる場面もあり得る
「多少ダクトが増えてもいいから、とことん均一にしたい」
という人向けの、“ダクトあり大風量タイプ”の全館空調です。
U-LACは“ダクトレス全館空調”が基本
一方、サンキハウスのU-LACは
「床下と小屋裏を空気の通り道にして、ダクトをほとんど使わずに全館空調する」
という考え方です。(diyhome.co.jp)

ダクトレスってどういうこと?
U-LACでは市販の壁掛けエアコンを
- 冬:床下に1台(床下エアコン)
- 夏:小屋裏や2階ホールに1台(小屋裏エアコン)
の合計2台だけ設置する、そのうえで
- 床下空間そのものを“床下チャンバー”として使い
- 小屋裏空間そのものを“上部チャンバー”として使い
- できるだけダクトを使わずに、ガラリや吹き抜けを通して家じゅうに空気を回す
という構成になっています。(diyhome.co.jp)
天井裏から各部屋に長いダクトを引っ張るのではなく
- 「床下」という大きな空間から、温風は上昇する性質を使って家中に届ける
- 「小屋裏」という大きな空間から、冷風は下降して行く性質を使って1階まで届ける
空間をそのまま“空気の通り道”にしてしまうので、ダクトの本数や長さをグッと抑えられる、というわけです。
換気システムとの組み合わせ
U-LACでは、第一種熱交換換気「澄家(すみか)」を採用し、床下に設置してます。
また、オプションの循環ファン「エコエアー」を、主に冷房時に利用します。(jstage.jst.go.jp)
【冷房時】
- 小屋裏エアコンで冷やしつつ、エコエアーで床下の空気を小屋裏側へ送り、
小屋裏の冷気を増幅して中風量レベルの冷房を実現
【暖房時】
- 暖かい空気は自然に上がっていくので、床下エアコンだけでじんわり全館暖房
- このとき、あえてエコエアーは使わず、「できるだけ無風」に近づける運転
というように、「冷房はそこそこ風量」「暖房は極力静か」という切り替えで運用するのが特徴です。
まとめ。二つをまとめて見たときの「住み心地の差」
最後に、ここまでの話を「住み心地」という軸でざっくり並べると、こうなります。
【共通点】
- 普通の壁掛けエアコンを使う、比較的安価な全館空調
- 高断熱・高気密を前提にしている
- 廊下・脱衣室・トイレの極端な温度差を減らす、というゴールは同じ
【YUCACOらしさ】
- 専用の空調室+大風量小温度差で、とことん家中を均一にする
- 「常に家全体を機械的にかき混ぜている安心感」を重視する人向き
【U-LACらしさ】
- 床下と小屋裏という“位置エネルギー”と、澄家+エコエアーを組み合わせ、
冷房は中風量、暖房はほぼ無風という静かな全館空調を狙う - 「足元の冷えや強い風が苦手」「でも家全体をそこそこ揃えたい」人向き
- 「ダクトがほとんどない」ぶん、施工コストや清掃の手間も抑えやすい
どちらが正解、という話ではなく、
・とにかくムラの少なさを徹底したいなら YUCACO
・静かさや足元の心地よさを重視しつつ、全館をやさしく空調したいなら U-LAC
という選び方が、一つの目安になると思います。
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