許容応力度とwallstatの違い
「地震で倒壊しない家を建てたい」これはすべての人の願いです。
しかし、地震が起こって見ないと実際(本当)の所、分かりません。
でもそれでは困るので耐震等級(1~3)を国は定めています。
耐震等級3を取るための一つの手段に許容応力度計算があります。
しかし、許容応力度計算による耐震等級3が取れていれば、
震度7の揺れにも大丈夫なのか?
この問いにも、実際は起きてみなければ分からないのが現実です。
そもそも許容応力度とは、地震力を静的な(一発の)揺れが部材の
許容応力度を超えていないかを確認する計算方法のことです。
しかしながら、地震の揺れは一発の大きな力でなく、時間を掛けて
揺れ続ける動的(連鎖的)な事象です。
従って、時系列で構造体に変化が起き、一つの変形や破壊が
他の部位に(通常なら起きない)力が掛かり次の変形や破壊を起こします。
この様に、家の倒壊は小さな破壊が次の破壊に繋がる連鎖反応であり、
再現には、時系列の変形や破壊を次々と計算するアルゴリズムが必要です。
この時系列の変形や破壊をシミュレーションによって「見える化」したのが
「wallstat」と呼ばれるシミュレーションソフトです。
京都大学の中川貴文准教授が開発した「wallstat」は木造の建物が
地震により各部材に発生する力や変形を時々刻々と計算し動画で確認できます。
壊れる程度によって黄色 → オレンジ → 赤色に変化してゆき、最後は倒壊します。
正確に言うと、
黄色は短期許容応力度(降伏点)に達した時、オレンジが最大耐力に達した時、赤色が破壊です。
黄色までは修復可能な状態と言えますので、黄色で留まれば耐震性が高い証拠です。
サンキハウスではwallstat倒壊シミュレーション解析を行っております。
(熊本地震の益城町の震度7で揺らしたシミュレーション結果です。)
ここに一部ですが今までの解析画像をお見せします。☘️
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