結露は冬だけの現象ではない

今週は「劣化対策について考える第3弾」として夏型結露について考えます。

夏型結露のメカニズムについてはこちらをご覧ください。→「冬の結露と夏の結露

5~6月は気温も湿度も適度な状態ですので、窓を開けて外気を取り込むには絶好の季節です。
しかし6月中旬以降は梅雨が始まり外気は高湿度になるので、窓開け換気は好ましくありません。

建物の床下は梅雨時期に大変高湿度になっており、多くの住宅でカビが発生していますが、
床下の点検など行っていない為、気づいていない事が多いです。

 

床下以外の屋内に外の湿気を入れることはエアコン冷房の電気代としてマイナスですし、
その冷気により断熱の弱い部分や温度の低い部分に結露が発生してしまうこともあります。

古民家など昔の作りの建物なら隙間風も多く断熱材も使われていない為、湿気を貯め込まず、
通風で涼を得ることが建物の維持にもなっていましたが、今の住宅にはその方法は適しません。

気密化した現代の住宅は出来るだけ外気の湿度を避け、エアコン冷房による除湿を活用し、
室内の湿度を低く保つことが重要です。

必要以上の換気を行うことは外の無尽蔵な湿気を室内に取り込んでしまうと肝に銘じて、
健康のための必要十分な空気以外は室内に入れない様にしましょう。

 

弊社の建てる住宅には床下エアコンを設備した家が多いので、床下エアコン暖房を使った
除湿の裏技を紹介します。

「夏なのに暖房」と驚かれるのも無理はありませんが、
床下は室内よりも温度が若干低いため、夏型の結露を起こすことも多い場所です。

そこで、25~26℃で暖房運転をすると床下の温度を上げる事が出来ますし、
上階のエアコン(小屋裏エアコンやホールエアコンなど)で冷房をすると家全体として
再熱除湿運転として機能するという仕組みです。

少し電気代が掛かりますが、カラッとした低湿度で、しかも寒くない適温が可能です。
体に優しい湿度と温度は建物にも優しい環境なのです。☘️


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伊豆川達也
伊豆川達也宅地建物取引士