エアコン選定と気密の関係【マニアック】

朝晩は少し暑さが和らぎ、夏がようやく終わりに近づいて来ていると感じます。

10日間ほどで梅雨が終わり、7月始めから夏が始まった2022年ですが、
先週、気象庁は今年の梅雨明け宣言が間違っていたと発表。
2022年の梅雨は概ね例年と同じ長さの梅雨期間だったとしました。

「何だかなぁ~」と思うと共に、今年の夏は色々あったので、暑さと共に
この重苦しい空気を吹き飛ばして貰いたいものですね。🥺

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先週の「冷房用エアコンの選定は難しい」の続編で、気密との関連について
書いてみたいと思います。

まずは、QPEXで計算できる換気の熱損失が大きな割合を占めているので、
説明します。

赤枠で囲った部分が、換気での熱損失で24.918W/Kになっています。

この住宅では、熱交換率70%の第1種熱交換換気システムを使っているので、
普通の家の3種換気よりも大幅に熱損失が少ないのですが、
それでも表の一つ上の開口部全体の熱損失(23.157W/K)より少し多い数値になっています。
(窓から失われる熱より、換気で失われる熱の方が多い)

換気で失われる熱はかなり多いことがお分かり頂けたかと思います。
また、上記表からこの家のUA値が0.34とかなりの高性能(G2とG3の間位)なのが分かります。

 

ここで問題なのは、UA値は換気による熱損失を含んでいませんので、
多くの住宅系YouTuberの方が指摘している通り、UA値で比べても意味がありません。

最終的にお施主様の望みは、①家中が暖かい(涼しい)こと、
②その実現の為の高熱費が出来るだけ少ない事、ですので、
換気も含めた家全体の熱損失を計算したQ値と暖冷房エネルギーを明示する事が大事なのです。

 

そして「気密」との関係ですが、
そもそも気密が良くない住宅では、この計算自体が成り立ちません。
家のあらゆる場所からの漏気(隙間風)があり、熱損失を計算してもその通りにはならず、
家は計算通りに冷えないし(暖まらない)、計算通りの光熱費にもなりません。

従って、計算した冷房(暖房)エネルギーで機種選定する事に意味はないので、
部屋の大きさに合わせた従来の方法でエアコンサイズを決めるしかないのです。
もちろん、家中を一台のエアコンで冷房(暖房)することは出来ません。

 

一見、マニアックな記事と思われるかもしれませんが、
家は本来マニアックな物理で成り立っているものであり、
マニアックな理論の無い住宅はただの高級なテント(笑)です。☘️

この記事で取り上げたこのお家、9/17,18に構造見学会を行います。
断熱気密や換気、全館冷暖房全てご覧いただけます。


▲▼▲▼▲ イベントのお知らせ ▲▼▲▼▲

9/17(土)・18(日) 『2×6のお家 公開気密測定&構造見学会』

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