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住宅高性能化の先、カーボンマイナスを目指して
サンキハウスが高性能住宅に取り組み始めて、約20年が経ちました。
高気密・高断熱、全棟気密測定、第一種換気、床下エアコン暖房、小屋裏エアコン冷房、耐震等級3。
かつては特別だったこれらの性能も、今ではサンキハウスの家づくりの土台になっています。
冬暖かく、夏涼しい。
家の中の温度差が少ない。
少ないエネルギーで快適に暮らせる。
住宅の高性能化については、一定の到達点まで来たと感じています。
では、その先にある家づくりの目標は何でしょうか。
これからの住宅に求められるのは、住んでからの省エネ性能だけではありません。
その家を建てる時にどれだけCO2を排出したのか。
どんな材料を、どこから運び、どれだけ長く使い続けられるのか。
そして、住宅の一生を通じて、環境負荷をどれだけ減らせるのか。
その視点として重要になるのが、LCA、つまりライフサイクルアセスメントです。
これからは「住んでから」だけでなく「建てる時」も問われる
これまでの省エネ住宅では、主に住んでからのエネルギー消費が注目されてきました。
断熱性能を高める。
気密性能を高める。
高効率な設備を使う。
太陽光発電を載せる。
こうした取り組みによって、冷暖房や給湯、照明などに使うエネルギーを減らすことができます。
これは、これからも変わらず大切なことです。
しかし、住宅は住み始める前にも多くのCO2を排出しています。
木材を伐採し、乾燥し、製材する。
合板や断熱材、サッシ、石膏ボード、コンクリートを製造する。
それらを現場まで運ぶ。
現場で施工し、端材や廃材を処理する。
こうした建設時のCO2は、これまで一般のお客様にはあまり見えにくいものでした。
しかし、J-CAT戸建てのような算定ツールが整ってくることで、住宅の環境性能は、断熱等級やUA値だけでなく、材料選び、輸送、施工、維持管理、解体まで含めて評価される時代に入っていきます。
J-CAT戸建てと、カーボンマイナスという新しい評価軸

J-CAT戸建てとは、戸建住宅の一生を通じて発生するCO2排出量を算定し、見える化するための評価ツールです。
これまで住宅の省エネ性能は、主に「住んでから使うエネルギー」が重視されてきました。
しかしJ-CAT戸建てでは、建設時の材料製造や輸送、施工、改修、解体、廃棄まで含めて、住宅全体の環境負荷を考えます。
さらに、木材が建物の中にどれだけ炭素を貯蔵しているかも重要な視点になります。
これからの住宅は、
「住んでから省エネです」
だけではなく、
「建てる時のCO2も把握しています」
「材料の選び方や輸送まで考えています」
「長く住み続けられるように計画しています」
というところまで、家づくりの責任が広がっていきます。
その先にある目標が、住宅のライフサイクル全体でCO2を減らし、カーボンマイナスを目指す家づくりです。
木造住宅だからこそ、LCAで考える意味がある
木造住宅には、LCA(ライフサイクルアセスメント)の視点で大きな可能性があります。
木は成長する過程で大気中のCO2を吸収し、炭素として体内に固定します。
その木材を住宅に使うということは、建物の中に炭素を長期間貯蔵することでもあります。
もちろん、木材であれば何でもよいわけではありません。
どこで育った木なのか。
どのように伐採され、乾燥され、製材されたのか。
どれくらいの距離を運ばれてきたのか。
合板や木質面材は、どのような工程でつくられているのか。
こうした一つひとつの情報が、これからの住宅の環境性能に関わってきます。
木造住宅は、鉄やコンクリートに比べて、材料そのものに炭素貯蔵という特徴があります。
だからこそ、木を使う意味を、感覚的な「自然素材」だけでなく、環境負荷の面からもきちんと見える化していくことが大切です。
しかし、木造住宅であっても、実際に使う材料の種類や数量、産地、製造方法、輸送距離によって、環境負荷は変わります。
また、建てた後にどれだけ長く使い続けられるかも重要です。
どれほど建設時のCO2を抑えても、短期間で解体されてしまえば、環境負荷は大きくなります。
反対に、耐震性や耐久性が高く、メンテナンスしながら長く住み続けられる住宅は、ライフサイクル全体で見た時に大きな価値があります。
これからの木造住宅では、
材料のCO2を抑えること。
木材の炭素貯蔵量を見える化すること。
住んでからのエネルギー消費を減らすこと。
長く使い続けられる耐久性を備えること。
これらを一体で考える必要があります。
高性能住宅の次は、材料と時間の性能へ
これまでの高性能住宅では、断熱材の厚み、窓の性能、気密性能、冷暖房費が主なテーマでした。
これからは、それに加えて、材料そのものの環境性能が問われます。
どの木材を使うのか。
その木材はどこから来たのか。
乾燥方法はどうか。
基礎コンクリートのCO2をどう減らすのか。
断熱材やサッシの製造時CO2をどう考えるのか。
そしてもう一つ大切なのが、時間の性能です。
長く住めること。
将来のメンテナンスがしやすいこと。
構造が安定していること。
家族構成の変化にも対応しやすいこと。
資産として価値が残ること。
住宅の環境性能は、単年度の省エネ性能だけでなく、長い時間軸の中で評価されるようになっていきます。
カーボンマイナスを目指すために
カーボンマイナスを目指すためには、いくつかの段階があります。
まず、断熱・気密性能を高め、住んでからのエネルギー消費を減らすこと。
これは、サンキハウスがこれまで20年取り組んできた部分です。
次に、太陽光発電などの創エネルギーを取り入れ、運用時のCO2をさらに削減すること。
そして、これから特に重要になるのが、建設時のCO2を減らすことです。
低炭素な材料を選ぶ。
木材の炭素貯蔵量を見える化する。
輸送距離を考える。
廃材や端材を減らす。
長寿命でメンテナンスしやすい家にする。
解体時の廃棄や再利用まで考える。
カーボンマイナスは、単に太陽光発電を多く載せればよいという話ではありません。
建物の性能、材料、施工、維持管理、エネルギー。
そのすべてを合わせて考える必要があります。
まとめ|高性能住宅のその先へ
サンキハウスは、約20年にわたり高性能住宅に取り組んできました。
冬暖かく、夏涼しい。
家中の温度差が少ない。
少ないエネルギーで快適に暮らせる。
この高性能化には、一定の到達点が見えてきたと感じています。
しかし、これからの住宅に求められるものは、さらに広がっていきます。
住んでからの省エネだけでなく、建てる時のCO2、材料の産地、輸送、施工、メンテナンス、解体、そして建物に貯蔵される炭素まで。
住宅の一生を通じて、どれだけ環境負荷を減らせるかが問われる時代になります。
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