スタッフブログ
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GX志向型住宅と太陽光とHEMS
160万円の補助金が受けられるGX志向型住宅は、これからの住宅の新しい標準となっていくのは間違いありません。
それに伴い、補助金の要件を満たすために必要不可欠な太陽光パネルと**HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)**には、どの製品を選ぶべきかを検討していきます。
人気の「マキシオン」と「Qセルズ」――どちらを選ぶ?
太陽光パネルを選ぶうえで、40年の出力保証を謳う「マキシオン」は、性能面で確かに魅力的な選択肢です。
しかしその分、価格も高め。長期保証に価値を感じつつも、導入に悩む方も多いのではないでしょうか。
たしかに、屋根の上で40年間パネルががんばってくれるのは心強い話です。
けれどその間に、屋根自体の補修や葺き替えが必要になる可能性も現実的に考えておくべきです。
太陽光パネルをいったん撤去し、再設置するにはコストも手間もかかります。さらに、40年の間には技術革新も進み、
「古いパネルをまた載せるべきか、それとも新型に更新すべきか」で迷う場面も想定されます。

変換効率と保証期間
コストと性能のバランスで選ぶなら「Qセルズ」
その点、Qセルズはコストパフォーマンスの高さで人気のブランドです。
出力保証は25年間とマキシオンには及びませんが、内容は十分信頼できるものです。
- 初年度:公称最大出力の98%を保証
- 2年目以降:毎年0.4%の出力低下を基に保証
- 25年目の保証下限:公称出力の86
保証期間こそ短めですが、価格は抑えられており、品質・実績・保証のバランスが良いのがQセルズの魅力。
屋根のメンテナンスや今後の技術進化を踏まえて、「25年」という現実的なスパンで考えるなら、Qセルズは非常に有力な選択肢といえるでしょう。
HEMSはAiSEG3だけじゃない?
これまでHEMSといえばパナソニックの「AiSEG3」が定番だと考えていましたが、実は他にも選択肢はあります。特に、GX志向型住宅補助金の対象としてHEMSの導入を検討している方にとっては、どの製品が最適なのかをしっかりと見極める必要があります。
HEMSで何ができるのか?
HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)には、次のような役割が期待されます:
- 家電の遠隔操作
スマホやタブレットから、エアコン・照明・洗濯機などを操作可能。外出先からの操作で利便性が向上します。 - エネルギーの見える化
家全体や機器ごとの電力使用状況をリアルタイムで可視化。省エネ行動を促します。 - 太陽光発電の最適活用
発電状況を把握し、発電の多い時間帯に家電を稼働させるなど、効率的に自家消費を促進。 - 蓄電池の制御
深夜電力を活用した充電や、必要に応じた放電など、電気料金の最適化が可能。 - スマートホームとの連携
家電の自動制御や音声操作など、快適な住環境の構築に貢献。 - 水道・ガスも管理
HEMSによって、ガスや水道の使用量まで一元管理が可能になり、家庭全体のエネルギー効率を高めます。 - 地域連携型のエネルギー管理
スマートシティやスマートグリッドに向けた家庭間連携も視野に入ります。 - 電力会社の節電キャンペーンへの対応
節電プログラムに参加し、電気代の節約や報酬の取得も可能です。 - スマート分電盤との連携
HEMSとスマート分電盤を同時導入することで、さらに細かいエネルギー管理が可能に。 - AIとの連携による高度制御
AIを活用し、生活パターンに応じた最適なエネルギー運用が可能です。
ただし、**これらすべてに対応した製品は現時点では存在せず、機能ごとに差異があります。**アップデート対応や拡張性も考慮して製品選びを行いましょう。
HEMSが補助金対象となるための要件
GX志向型住宅補助金を活用する場合、導入するHEMSには以下の条件を満たす必要があります:
- ECHONET Lite準拠(日本国内標準通信規格)
- AIF認証取得済みであること(エコーネットコンソーシアム認定)
- エネルギーの見える化機能を備えていること(太陽光・蓄電池・エコキュート等との連携)
- HEMSコントローラーがスマートメーターと通信可能(Wi-SUN通信など)
- エコーネットコンソーシアムの製品一覧に掲載されていること
ところが、エコーネットコンソーシアムの製品一覧を見ると、単機能のものや周辺機器扱いの製品も多く、「どれを選べばいいのか分かりにくい」のが現状です。
太陽光メーカー推奨で選ぶという方法:注目の「Cube J」
そうした中で、太陽光パネルメーカーが推奨するHEMSとして注目されているのが、**NextDrive社の「Cube J」**です。
Cube J(スマートエネルギーゲートウェイ)

- コンセントに挿すだけで使える小型HEMSゲートウェイ
- エネルギー管理だけでなく、健康管理やホームセキュリティ分野にも応用可能
- スマートメーターや太陽光発電との連携で、補助金要件もクリア
- Wi-Fi、Bluetooth、Wi-SUNなど複数の通信規格に対応
NextDriveとは?
- 創業:2013年台湾(日本法人は2017年設立)
- 本社所在地:東京都港区西麻布
- 代表者:顔 哲淵(Shawn Shih)氏
- 事業内容:IoE(Internet of Energy)やIoT技術を活用したエネルギー管理ソリューションの提供
NextDriveは台湾発のエネルギーテック企業で、日本市場に早期から進出。スマートメーターの普及やWi-SUNの標準化など、日本の電力インフラとの親和性の高さを背景に、エネルギー制御技術の展開を進めています。大学や企業との共同研究を通じた技術開発にも注力しており、東南アジア市場への展開も視野に入れています。
Cube J(NextDrive) | AiSEG3(Panasonic) | |
---|---|---|
メーカー | NextDrive(台湾発・日本法人あり) | パナソニック(日本) |
設置形態 | コンセント型(工事不要) | 壁掛け/分電盤型(要工事) |
通信方式 | Wi-Fi、Bluetooth、Wi-SUN | Wi-SUN、有線LAN、無線LAN |
ECHONET Lite対応 | ◯(認定番号:MZ-000316) | ◎(多数のAIF認証あり) |
エネルギーの見える化 | ◯(太陽光・蓄電池など) | ◎(詳細グラフあり) |
家電の遠隔操作 | △(一部機器のみ対応) | ◎(スマート家電多数対応) |
AI制御 | △(簡易的な制御) | ◎(AIソーラーチャージ搭載) |
V2H(EV連携) | ×(非対応) | ○(EV電源として活用可能) |
補助金対応 | ◎(GX志向型住宅の要件クリア) | ◎(補助金実績多数) |
価格帯(目安) | 約3〜5万円 | 約15〜25万円 |
向いている方 | 低コストで補助金を活用したい人 | 家全体をスマート制御したい人 |
導入コストや将来的な拡張性を考慮するなら、「Cube J」は非常に現実的な選択肢となるでしょう。☘️
☆★☆サンキハウス施工事例☆★☆
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- 宅地建物取引士
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