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YouTubeの住宅情報は本当に正しい? 後悔しないための注意点

住宅を検討されている皆様にとって、YouTubeは大変便利な情報源のひとつです。特に住宅系ブロガーのチャンネルから、新築住宅のルームツアーや施工現場の解説、さらには専門的な知識をわかりやすく伝える動画など、多彩なコンテンツを目にすることができます。

毎日のように新しい動画を配信される方も多く、その努力には頭が下がります。しかし中には、独自の理論や実験をもとに「従来の常識とは違う結論」を打ち出しているものもあり、その信ぴょう性には注意が必要です。

危うさを感じた断熱材の比較実験

最近目にした動画では、断熱材の性能比較実験が取り上げられていました。電球を太陽光に見立て、断熱材を通してどの程度熱が伝わるかを測定するというものです。

繊維系からプラスチック系まで8種類の断熱材を用い、同時に光を当て温度変化を記録するという方法でしたが、その結果、国の基準値とは異なる結論に至っていました。

【間違っている実験】
電球の下に直接断熱材が置いてあり、電球の光が直接断熱材に当たっている。実際は壁面があり太陽光は直接断熱材を照らさない。

【反論動画実験】
電球と断熱材の間に合板を置き、光が直接断熱材の当たらず、現実に近い。

実際のYouTube動画

本来、断熱材は国の検査機関で性能が数値化され、公表されています。したがって、公式データとは異なる結論が出る場合、その実験方法や条件に問題がある可能性が高いのです。実際、この動画に対して同業者が反論動画を公開し、「実験方法に誤りがある」と指摘する事態にも発展していました。

情報は“正しさ”を見極めながら収集を

YouTubeは大変便利なプラットフォームですが、必ずしもすべての情報が正しいわけではありません。専門的な知識や検証を経ていない内容も多く、場合によっては誤った知識を信じ込んでしまう危険性があります。

住宅のように一生に関わる大きな買い物においては、特に「正しい情報を見極める姿勢」が大切です。YouTubeで得た情報は参考程度にとどめ、公的機関のデータや専門家の意見と照らし合わせながら判断すると安心です。

投稿者プロフィール

伊豆川達也
伊豆川達也宅地建物取引士