リノベで2重屋根通気工法②
前回のブログ「リノベで2重屋根通気工法①」で屋根下地の重要性について話しました。
今回は工事の続きとして、断熱と通気を行う2重屋根の仕組みを解説します。
築33年の屋根から見えた「下地の重要性」
築33年を迎えた木造住宅の屋根葺き替え工事を通して、「屋根が住宅の耐久性にとっていかに重要か」を改めてご理解いただけたのではないでしょうか。
今回は屋根材をすべて撤去し、その下にある防水紙(アスファルトルーフィング)も剥がした状態で、屋根下地の状態を丁寧に確認しました。
下地には経年の汚れこそあったものの、大きな損傷や腐食はほとんどなく、非常に良好な状態でした。
(※もし下地に劣化が見つかった場合には、当然その箇所の補修が必要となります)
そのため、今回はこのまま既存の合板下地を活かし、新たに防水層を施工することにしました。
透湿防水シート「タイベック ルーフライナー」の採用
新たに張るのは、米国デュポン社製の「タイベック ルーフライナー」。
これは透湿性を持つ屋根用防水シートで、湿気を逃しながら雨水は通さないという優れた性能を持っています。
(透湿性とは、内部からの水蒸気を通し、結露を防ぐ機能のことです)
今回採用している「二重屋根工法」では、この防水層が3層構造となっており、タイベックルーフライナーはその3層目にあたる透湿防水層となります。
断熱工事で夏の暑さ対策も同時に
今回は、屋根材の交換だけでなく、夏の暑さ対策として断熱工事も同時に施工しています。
使用したのは、厚さ9cmのアルミシート付き断熱材(アキレスQ1MAボード)です。
このアルミシートが太陽熱の主成分である赤外線を反射し、上部に設けた通気層から熱を屋外へ逃がす構造です。
通気層は厚さ3cmの木材で確保し、その上に構造用合板を張って新しい屋根下地を形成しました。
通気のために木材を挟みます。
その後、新しい合板を張って屋根の下地が賛成です。
仕上げに2次防水層としてアスファルトルーフィングを施工
最後に、アスファルトルーフィング(防水紙)を再度施工し、屋根下地が完成しました。
このアスファルトルーフィングは、屋根材の下で雨水の侵入を防ぐ「2次防水層」として重要な役割を果たします。☘️
(※アスファルトルーフィングに透湿性はありません)
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