窓際のぽかぽかvsオーバーヒート

トリプルガラスの樹脂サッシが大手窓メーカーから発売されて6年が経ち、
当社のお客様での採用率が上がってきました。

ペアガラスの樹脂サッシと比べてお値段はまだ倍くらい高いのですが、
付加断熱で壁の断熱性能を上げるよりは、窓をペア→トリプルにした方が、
コスパが良いとの判断です。

最近のお客様は良く勉強されていて、(建築系YouTubeからの情報かも😉)
南面は遮熱Low-Eではなく、日射取得型のLow-Eを選ばれるケースも
増えています。

1年間の消費エネルギーのシミュレーションを行うと暖房エネルギーの方が
冷房のそれより消費量が多いとなるので日射取得型を南面に選ばれるのでしょう。

しかし、個人的には、夏の暑さの方が冬の寒さより苦手な私としては、
家全体で遮熱Low-Eの窓を選ぶ事をお勧めしています。

過去のブログ記事(日射でオーバーヒート?)で書いた通り、日射があれば
真冬でも暖房なしで過ごせるほど暖かくなりますが、中間期の5,6月や10月などは
オーバーヒートもあり得ます。

窓を開ければ良いのでしょうが、留守がちの家庭ではどうでしょう?
冷房を掛けるのも勿体ないし、逆に使い勝手の悪い南側部屋になるのでは。

 

YKK APのトリプルガラスの樹脂サッシ(APW430)には4つのガラスがあります。
(1)日射取得型(ニュートラル)U値0.92、η値57%
(2)日射遮熱型(ニュートラル)U値0.62、η値47%
(3)日射遮熱型(ブロンズ)U値0.60、η値31%
(4)日射遮熱型(ブルー)U値0.60、η値30%

日射取得型が1種類、日射遮蔽型が3種類です。
日射取得型は確かに(1)の日射取得率η値が57%と高いのですが、(2)との差は10%。
ただ、(1)はLow-Eが一層なのでU値=0.92と断熱性能が落ちますのでご注意下さい。

トリプルLow-Eガラスの断面イラスト

冬の日射熱取得はありがたいのですが、中間期はコントロールが難しいのです。

庇や日よけで夏の日射を遮ることが良く語られていますが、

これも難しいと言わざる負えません。
なぜなら、8月の午前10時は日射角度が57.4度しかなく、上の絵の「夏」と「冬」の
ちょうど中間ぐらいの位置ですので、日射が入って来ます。

8月の午前10時はすでに厳しい日射と考えれば遮熱Low-Eガラスで遮蔽した方が、
静岡では無難ではないでしょうか。☘️


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