「底冷え」のしくみ

今年の冬はどうやら暖冬のようです。
寒さに弱い方には朗報ですね。

でも、いくら暖冬でも暖房をしないわけではありません。
新築するならやはり暖かい家にしたい事には代わりがないですね。

冬の一番の悩みと言えば「床が冷たい」ということ。
足元から冷えてきて「つらい」というのはよく聞く話です。

 

先日、リフォームのお悩みで質問がありました。
「毎年冬になると床が冷たく底冷えがしてくる。」

「床に断熱材がないのか、薄すぎて効かないのか?」

「吹き付け断熱材の施工を勧められているが、
それで底冷えがなくなるのでしょうか?」

こんなご質問でした。

断熱材の種類を替えれば暖かくなると錯覚されているので、
そもそも「底冷え」がどうして起こるのかお答えします。

「足元から冷えて来る」とか「足の裏が冷たい」などの原因は
家の作り、すなわち構造にあります。

断熱材が少ないとか断熱材の種類が悪いとか以前の問題です。

下の図を見て下さい。

これは在来工法の断面図ですが、床下を外気が流れ、
その空気が壁の中に侵入しているのが分かると思います。

この状態ではいくら暖房をしても、外気が床下→壁の中→天井に流れるので
床と壁の下部が常に外気で冷やされ続けます。

気密性能も悪ければ、室内の特に下の方から床下の冷たい空気が漏れてきて
底冷えするのです。

 

これをふせぐ方法は30年前に確立され、北海道や東北地方では標準的に行われています。

その方法とは「気流止め」です。

「気流止め」とは床下の空気を壁に入れない。また、屋根裏の空気も壁に入れない。
その為に気流止め先張りシートや合板による気流止めなどの施工方法があります。

詳しくは新住協(新木造住宅技術研究協議会)HPを見て下さい。
http://shinjukyo.gr.jp/?page_id=653

如何にして暖かく、そして長持ちする家を造るのか?
その研究を長年してきた北海道の研究者が30年以上も前から提唱している施工技術ですが、
東北以南で実践している住宅会社が少ないのが実情です。

 

なぜかと言うと、罰則が無い事も一因ですが、
消費者がその事実を知らないのが最大の原因だと思います。

断熱材を入れるだけでは暖かくならないのです。


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