スタッフブログ
staff blog
アイシネン、アクアフォームでは防げない
アイシネン(アクアフォーム)という現場発泡断熱材があります。
粘着性があるので、これで断熱すれば気密処理が同時にできると考えるのは早計です。
ブログ「俺の家は高性能!」の中でも指摘されているように、まど周りや壁の角などの隙間を防ぐことができません。

発売当初、当社でも一度使った経験がありますが、完成した住宅のC値を測るとあまり良い数値ではありませんでした。
また、経年変化も気になります。

写真は、指で擦ると粉が付着している様子を写したものです。
断熱材が劣化し粉になってしまっています。
数年でこの様になると、50年後にはかなりの「痩せ」が予想されます。
痩せによる断熱性能の低下だけならまだしも、剥離が起きて気密性能の大幅低下が予想されます。
当社で行っている裸のグラスウール断熱材に気密シートによる気密処理が、手間が掛かりますが確実な方法です。
アイシネン(アクアフォーム)を壁に吹き付けると100倍の体積に発泡します。
そのスピードは速く、手早くノズルを動かさないとすぐに壁の厚み以上に発泡してしまいます。
壁の厚み以上になってしまった場合、突き出た断熱材はすべてカットし廃棄されます。

一棟の現場ででる廃プラスチックゴミはこの様に大量です。
これでは自分の家をエコにするために環境に良くない「エゴ」ではないでしょうか。
グラスウールはガラスのリサイクルであるカレットから作られますので、環境にやさしい断熱材です。
最後に、アイシネン(アクアフォーム)の性能についても疑問があります。

できるだけ壁からはみ出ないように薄めに吹き付ける事になるので、施工後は上の写真の様に壁の厚みに対して7割位の厚みしか吹き付けません。
(上でも書きましたが、それでも所々はみ出してしまいます。 それをカットしたのが先程の写真です。)
壁の厚みいっぱいに入ってようやく高性能グラスウールと同じ性能になるアイシネン。
これでは3割ダウンの断熱性能になってしまいます。
アイシネンの様な発泡断熱材は、場所によっては大変重宝する断熱材です。
特に凹凸のある場所や指が入らないような隙間を断熱するにはモッテコイです。
ですが、メインで使うには欠点がありすぎ。
上記の理由で当社では採用していません。
最近の施工事例
イベント情報
投稿者プロフィール

- 宅地建物取引士
最新の投稿
つぶやき2025年12月7日2026年からの家づくりはどう変わる? ~太陽光・補助金・電気代の最新事情まとめ~
家のしくみ2025年12月3日「塗り壁」が最強なわけ ~ 長期優良住宅を支える外壁の仕組み~
LaCoupe2025年11月30日”スケルトンインフィル住宅”が再注目 ~暮らしに合わせて変わる家~
家のしくみ2025年11月23日基礎の高さがもたらす住宅への影響とは? ― 静岡の気候と地盤を踏まえて ―








