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サンキハウスが考える「高気密高断熱」の次とは

「止める防湿」から「制御する防湿」へ

日本の木造住宅は長らく、外側に透湿防水シート、内側にポリエチレンの防湿気密シートという構成を採用してきました。
【現在、どちらも長期優良住宅の要件になっていますので義務です。】

これは間違いではありませんでした。
実際に、多くの家を冬型の壁内結露から守ってきた実績があります。
しかし私たちは今、もう一歩先を考えています。

日本の気候は“湿気が動く国”

静岡のような温暖湿潤地域では、

  • 冬は室内から外へ湿気が動く
  • 夏は外から内へ湿気が動く

湿気の流れは一方向ではありません。

ポリエチレンの防湿層は「止める」ことには優れていますが、
夏、外気から壁体内へ入り込んだ湿気を戻す力は持っていません。

高気密高断熱化が進むほど、壁体内は乾きにくくなります。
だからこそ必要なのは、

湿気を止めるのではなく、
湿気の動きを設計するという発想です。

世界の流れは「コントロールする気密」

ヨーロッパでは、室内側に可変透湿型の気密シートを張る考え方が主流になっています。

冬は湿気を通しにくくし、
夏は湿気を逃がす。

🟩 pro clima(ドイツ)

https://proclima.com/media/product_galleries/20303.jpg
https://www.ecologicalbuildingsystems.com/images/media/products/pro%20clima/intello%20plus/p_INTELLO-PLUS_02-adjust.jpg?fm=webp&q=92&w=600
https://www.hrshop.be/2479-home_default/pro-clima-solitex-fronta-wa-wall-lining-membrane-75m-10132.jpg

パッシブハウスの世界で高く評価されているメーカー。
INTELLOは季節によって透湿抵抗が変わる“インテリジェント気密層”です。

🟨 SIGA(スイス)

https://img.archiexpo.com/pdf/repository_ae/72542/majrex-200-cut-sheet-394271_1mg.jpg
https://www.siga.swiss/_ari/821b4a83-f234-4c2c-9d3b-79faee171f89/73d9a3e762b8541102e67815534aaef6741a74f9/1100/0/og/Majvest_200_SOB_KeyVisual_1500x750px_Teaser.png
https://www.siga.swiss/_ari/06584236-2379-437d-ab1a-d476003351fe/6ee6fde0c7909a1347e2f0e212409c5d19a5237b/720/0/og/Fentrim_IS20_Family_720x400.jpg

「100年持つ気密」を掲げるスイスのメーカー。
Majrexは高耐久かつ施工性にも優れ、北米の高級住宅市場で支持を集めています。

他にも、A. Proctor Grou社(イギリス)、Rothoblaas社(イタリア)など
多くのメーカーが同様の製品(WRBVCL)を開発しています。
WRB: Weather Resistive Barrier,VCL:Vapor Control Layer)

こうしたメーカーが提案しているのは、
単なる高性能材料ではなく、

「壁体内が乾ける設計」という思想です。

私たちはこの考え方に合理性を感じています。

内装仕上げ材で調湿できるのでは?

ここで大切なのは、レイヤーを分けて考えることです。

構造内部の湿気制御と、
室内空間の湿度緩和は、役割が違います。

例えば、

  • 通気性壁紙
  • 吸放湿壁紙
  • 珪藻土などの塗り壁

これらは室内空気の湿度変動を和らげる素材です。

しかし、それらは

壁体内結露をコントロールする材料ではありません。

ここを混同しないことが重要です。

サンキハウスの湿気設計は二層構造

私たちは湿気を、

① 構造で守る

壁体内が乾く設計をつくる

② 仕上げで整える

室内湿度を穏やかに保つ

この二段階で考えます。
どちらか一方では足りません。

なぜ今、この話が重要なのか

断熱等級6・7が当たり前になる時代。
外皮性能が高まるほど、壁体内の乾燥能力は重要になります。

家は「完成時の性能」ではなく、
時間が経っても性能が落ちないことが本質です。

湿気を止めるだけの設計から、
湿気を制御し、乾かす設計へ。

私たちの結論

流行だから採用するのではありません。

  • 気候との整合性
  • 長期耐久性
  • 施工性と他建材との親和性
  • コストバランス

これらを検証しながら、
合理的な部分から一歩ずつ進めていく。

それがサンキハウスの未来への思いです。

投稿者プロフィール

伊豆川達也
伊豆川達也宅地建物取引士