スタッフブログ

staff blog

【徹底比較】一条工務店 HUGme fam vs サンキハウス LaCoupe|静岡で選ぶならどっち?

静岡県中部で「冬暖かく、夏涼しい家」を予算内で叶えたい。そんな方に人気の高い一条工務店の規格型「ハグミーファム」と地元工務店のセミオーダー住宅を比較しました。性能値から、意外と見落としがちな「別途費用」まで詳しく解説します。

1. 住宅のコンセプトと特徴

一条工務店:HUGme fam(ハグミー・ファム)

一条工務店が45周年記念で発表した規格住宅「HUGme」の寒冷地・高性能モデルです。

  • 特徴: 100通りの間取りから選ぶ「規格型」。本来は寒冷地用ですが、その高い断熱性能を温暖な静岡に持ち込むことで、圧倒的な省エネ性能を実現します。
  • 強み: 大手のスケールメリットを活かした「タイル外壁」や「高性能樹脂サッシ」の標準採用。

サンキハウス:LaCoupe(ラ・クープ)

静岡市の工務店が提案する規格住宅です。

  • 特徴: 「注文住宅ほどの自由度はいらないが、性能とデザインは妥協したくない」という層に向けた「スケルトン・インフィル」方式のセミオーダー住宅。
  • 強み: 静岡の気候を知り尽くした工務店ならではの「床下エアコン」と、外壁塗り壁や無垢材などの自然素材による心地よい空気感。

2. 性能値・仕様の比較

住宅の「通信簿」とも言える性能値と、標準的な設備を比較します。

比較項目一条工務店 HUGme famサンキハウス LaCoupe
断熱性能 (UA値)約0.38 (断熱等級6)約0.39(断熱等級6)
気密性能 (C値)非公開(実測目安 0.59前後)0.3程度(全棟実測)
工法断熱材2×6工法 / EPS2×6工法 / 高性能GW
窓の仕様防犯ツインLow-Eトリプル樹脂サッシ高性能樹脂サッシ(YKKap APW330等)
換気システムロスガード90(熱交換型)第1種全熱交換換気システム「澄家」
主な暖房設備エアコン(全館床暖房はオプション)床下エアコン暖房 (標準装備)
内装の質感システム化された機能的内装無垢材などの自然素材
打合せ回数2回(ウェブ1回、対面1回)回数制限なし(平均10回)

3. 価格と「提示価格に含まれない費用」

次に、気になる価格面です。実は、カタログの「本体価格」だけで家は建ちません。別途必要になる項目を整理した比較表を作成しました。

価格構成比較表(30坪想定)

項目一条工務店 HUGme famサンキハウス LaCoupe
本体参考価格約1,800万円〜(申請、仮設別)約2,280万円〜(コミコミ)
標準で含まれるもの建物本体、タイル外壁、キッチン、バス等建物本体、塗り壁外壁、水回り設備、申請費、仮設工事費、床下エアコン、カップボード、網戸
別途工事 (必ず必要)屋外給排水工事、地盤改良、外構工事、申請費、仮設工事費屋外給排水工事、地盤改良、外構工事
主なオプション費用全館床暖房 (約70万〜)、太陽光パネル、カップボード、網戸キッチン等のアップグレード、造作家具
総額の目安2,500万円〜3,000万円程度(暖房設備なし)2,600万円〜2,900万円程度(暖房設備含む)

注意ポイント: 一条工務店のHUGmeは本体価格が安く見えますが、申請費や仮設工事費が別途(約150万〜200万円程度)かかる点に注意が必要です。一方、サンキハウスのLaCoupeはこれらがコミコミの価格設定になっています。

4. 光熱費シミュレーション:どっちが安い?

結論から言うと、「床下エアコン(サンキハウス)」の方が月々の電気代は安く抑えられる傾向にあります。

1. 暖房効率の比較(COP値の違い)

  • 床下エアコン(サンキハウス):市販の最新・超省エネエアコン(ヒートポンプ)を使用します。エアコンは「空気を暖める」効率が極めて高く、消費電力に対する暖房能力(COP)が高いのが特徴です。
  • 全館床暖房(一条工務店):同じヒートポンプ式ですが、「水(不凍液)を暖めて循環させる」プロセスが入るため、エアコンの空気加熱に比べると、わずかにエネルギーロスが発生します。

2. 運用方法による電気代の差(30坪・冬季1ヶ月の目安)

比較項目一条工務店(全館床暖房)サンキハウス(床下エアコン)
暖房の仕組み全室の床下に張り巡らした温水パイプ床下空間に暖かい空気を送り出す
運転モード原則24時間つけっぱなし24時間またはタイマー運用
電気代の目安約10,000円〜15,000円/月約6,000円〜10,000円/月
理由家中すべての床を常に一定温度に保つため、消費電力が安定してかかる。効率の良いエアコン1台で家全体を暖める。日射取得があれば出力を抑えやすい。
温度センサーが優秀

5. どちらを選ぶべき?

✅ 一条工務店 HUGme fam が向いている人

  • 機能性とブランド重視: 大手メーカーの安心感と、タイル外壁などのメンテナンス性に惹かれる方。
  • 効率重視: 100プランの中から「自分に合うもの」をパッと選びたい方。
  • 太陽光重視: 一条独自の屋根一体型太陽光パネルを安く載せたい方。

✅ サンキハウス LaCoupe が向いている人

  • 本物の高性能と快適性: 静岡の冬に最適な「床下エアコン」の足元からの暖かさを重視する人。
  • 素材感も大事: プラスチックのような質感ではなく、無垢材など「本物の素材」に囲まれて暮らしたい人。
  • 透明性重視: 申請費などを含めた「コミコミ価格」で、後からの予算オーバーを防ぎたい人。
  • 家づくりを楽しみたい:プロのアドバイスを受けながら自分オリジナルの間取りを作りたい人。

まとめ

一条工務店は「工業化住宅としての圧倒的なコスパ」、サンキハウスは「職人の技と高性能が融合した心地よさ」が魅力です。

どちらも静岡県中部の基準を遥かに超える断熱等級6(HEAT20 G2)以上をクリアできるため、性能面での失敗はありません。最後は、一条の「全館床暖房(オプション)」の暖かさが好きか、サンキの「床下エアコンと自然素材」の空気が好きかで判断されるのが良いでしょう。

投稿者プロフィール

伊豆川達也
伊豆川達也宅地建物取引士