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中古住宅の“掘り出し物”を探せ!建築士が見た2つの家
先週、お客様に同行して中古住宅を2件内覧してきました。
中古住宅は内装こそリフォームで変えられますが、基礎や躯体の状態は簡単には直せない部分です。
まずはそこをどう見るかが、とても大切だと改めて感じた内覧でした。
① 築29年・大手メーカーの住宅
1件目は、築29年・4DK・30坪ほどの三井ホーム施工のツーバイフォー住宅。
驚くほど構造状態の良い家で、屋根には多少の藻が見られましたが、構造の傷みは確認されませんでした。
一方で課題となったのが、間取りのクセです。
2つの子ども部屋が上下階に分かれてしまうという、なかなかチャレンジングな配置です。
構造を変えてまでの大規模リノベーションとなると、コストパフォーマンスが悪化してしまいます。
そのためお客様も最終的な決断には至りませんでした。
ただし、構造と状態だけを見れば“当たり物件”と言えるレベルです。
少人数のご家族であれば非常にお得で、
設備や内装のリフォーム代を含めても、新築と比べて約500万円+外構費分ほどは安価になりそうな印象でした。
② 築19年・4LDKの贅沢インテリア住宅
2件目は、築19年・4LDKの在来工法住宅。
5人家族でもゆとりを持って暮らせる、広さに余裕のあるお家です。
最大の特徴は、造作家具を中心とした内装のグレードの高さ。
北欧テイストのチーク材の造作家具はおそらく数百万円クラスの内容です。
内装も水回り設備も、現時点では大きな入れ替えの必要はなさそうでした。

(株)アイワ不動産様HPより
一方で、外壁やバルコニーには補修が必要な部分が見受けられましたが、
構造的な大きなダメージはなく、
「少し手をかければ、まだまだ活躍できる家」という印象です。
同じエリアに同規模の家を一から新築した場合、
土地条件にもよりますが、さらに+2,000万円前後は必要になりそうです。
内装を大きくいじらずに使えるこの住宅は、まさに中古住宅ならではの強みを持った一邸と言えます。
中古住宅は“宝探し”
今、新築の建築費は資材高騰の影響もあり、じわじわと上がり続けています。
その一方で中古住宅には、
「建築費がまだ今ほど高くなかった時代」に、
良い材料やこだわりの内装で建てられた家がひっそりと眠っています。
- 広すぎる
- 間取りが個性的
- 駐車場が1台しかない
といった今のスタンダードには合わない理由で買い手がついていない住宅があります。
しかし視点を少し変えてみると、「一点物の宝石のような住宅」に出会えるのも中古住宅の面白さだと、改めて感じました。
中古住宅購入には「事前調査」がおすすめ
今回は2件とも点検口から確認した範囲では、基礎や躯体の状態は良好でした。
とはいえ、中古物件を購入する際にはやはり事前の調査(インスペクション)がおすすめです。
「既存住宅状況調査技術者」の資格を持つ建築士が、
国のガイドラインに沿って調査を行うことで、
- 劣化の有無
- 補修が必要な箇所
- 将来的なリスクの可能性
などを、購入前に把握することができます。
中古住宅を前向きに検討されている方は、
ぜひ物件選びとセットで「事前調査」も検討してみてください。
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- 二級建築士・インテリアコーディネーター
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