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きものの職人技に学ぶ、住まいづくりの価値
――手仕事が光る「造作家具」という選択
職人の技が生み出す、ため息の出るような美しさ
先日のお休みに、静岡市美術館で開催中の展覧会「きもののヒミツ 友禅のうまれるところ」を訪れました。

会場では、友禅の振袖を仕立てる工程を映した映像が流れており、何人もの職人さんが一枚の着物に関わり手作業で仕上げていく様子が紹介されています。
細やかで緻密な工程を目にすると、「これほどの手間と技術なら、一枚100万円、200万円でも当然」と感じずにはいられません。
──もちろん、実際に買えるかどうかは別問題ですが。
職人の「手間」は価格に反映されにくい
ふと、下世話な興味でこの着物づくりに関わる人の工賃を頭の中で計算してみました。
驚くことに、おそらく一人ひとりの職人さんの時給はそれほど高くありません。
仕事の種類や技術によっての差はあるにせよ、一般的な事務職とあまり変わらないのではないかと思えるほどです。
そう、日本では「職人さんの人工は安い」のです。
建築も同じ。上がるのは“材料費”ばかり
コロナ禍以降、建築費はおおよそ14〜15%上昇しました。金額にして300万〜500万円もの差です。
しかし、その多くは建材や設備、輸送費の高騰によるもので、職人さんの作業費は上がっていません。
現場を支える職人の方々には、本当に頭が下がる思いです。
だからこそ「造作家具」がおすすめ
そんな今こそ、手仕事の価値を実感できる「造作による作り付け家具」を検討する価値があります。
造作家具には大きく2種類あります。
一つは、パナソニックやダイケンなどの建材メーカーが提供するシステム家具タイプ。
既製パーツを組み立てる方式で、ドアや床と色味を合わせやすく、統一感のある空間をつくれます。
ただし、サイズやデザインの自由度は限られています。素材も本物の木ではありません。
もう一つは、完全オーダーの自由設計家具。
無垢材を使い、寸法もデザインも一から打ち合わせて作り上げます。
大工さん、建具屋さん、家具職人、クロス職人など、複数の職人の手が加わり、唯一無二の家具が完成します。
無垢の質感、サイズ調整、デザインそして“手作り”ならではの存在感が大きな魅力です。

今が最後のチャンスかもしれない
家具の仕上がりは、山小屋のような素朴な本棚から上質な造作書斎まで、お施主様の好み次第で空間が変えることができます。
そして今、職人さんの工賃がまだ抑えられているこの時期こそ、造作家具を取り入れる絶好のチャンスかもしれません。
職人不足や働き方改革、賃上げの波の中で、手作りの家具が“特別な贅沢”になる日はそう遠くないでしょう。
今だからこそ、「職人の手仕事」を感じる家具づくりができる家は、本当の意味で“お買い得”なのです。
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- 二級建築士・インテリアコーディネーター
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