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夏の夜の窓あけ通気が電気代を増やしている
昼間のエアコン冷房は仕方がないけど、夜間はエアコン冷房を消して節約しているのに「電気代が結構かかっている」と感じたことはありませんか?
その原因の一つが 「夜間窓開け通気をしていること」 にあります。今回は、エアコンによる除湿と窓開けの関係を、わかりやすく解説します。
エアコンは「温度」より「湿度」を下げるのに電気を使う
夏の不快さの原因は気温だけではなく、**空気中に含まれる水分量(湿度)**です。
特に日本の夏は「高温多湿」で、体感温度が実際の気温よりも高く感じます。
その為、低めの温度設定をしがち。 25℃より低い温度設定にしていませんか?
エアコンは温度を下げるときに、
- 空気を冷やす → 冷えた空気中の水蒸気が結露し水になる
- その水分を屋外に排出する、という仕組みで自動的に除湿します。
つまり、エアコンの消費電力の多くは、湿気を水に変えて捨てる工程に使われているのです。
窓を開けるとどうなる?

1. 湿気が外からどんどん入ってくる
夏の夜の外気は気温25℃、湿度80%以上ということも珍しくありません。
この外気を室内に取り込むと、せっかくエアコンで除湿した空気が一気に湿気を含んだ空気に入れ替わります。
例えば…
- 室内(昼夜):26℃・湿度55%(質量絶対湿度≒11.5g/kg)
- 外気(夜間):25℃・湿度80%(質量絶対湿度≒15.9g/kg)
質量絶対湿度は、空気1kgに含まれる水蒸気の質量(gまたはkg)を示す指標です。単位は通常「g/kg」。相対湿度と異なり、温度に左右されず水分量そのものを表すため、空調・乾燥工程などで正確な水分管理に用いられます。
この外気を取り込むと、室内の空気がまた高い湿気を含む状態に戻り、エアコンは再び大量の水分を取り除く作業をやり直すことになります。
2. 無限に「湿気とのいたちごっこ」
窓を開けている限り、エアコンは**入ってきた湿気を取り除く→外気がまた入る→また取り除く…**という無限ループ状態。
結果、エアコンはフル稼働し続け、電気代が跳ね上がるのです。
快適さと電気代を両立するポイント
1. 窓は閉めて、エアコンをつけっぱなしにする
一度快適な温度・湿度に達した室内では、つけっぱなしのほうが電気代はむしろ安い場合が多いです。
こまめなオンオフや窓開けは、エアコンに「余計な仕事」を増やす原因になります。
2. 換気は計画的に
換気は人の健康に大切なので、第一種熱交換換気システムを活用するのがおすすめ。
これにより、室内に入ってくる空気の温度・湿度をある程度調整できます。
3. 室温26℃・湿度55%を目標に
快適な夏の目安は、室温26℃前後、相対湿度55%以下。
特に「絶対湿度12g/kg以下」を意識すると、カラッとした快適さを実感できます。
◆ まとめ
夏の夜、気温が下がってくると窓を開けたくなりますが、窓を開けると外気の湿気が次々と入り込み、エアコンが延々と除湿を繰り返すことになり、電気代が高くなります。
「窓は閉める」「換気は計画的に」という基本を守ることで、快適で電気代も抑えた夏を過ごせます。
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