持続可能な2×4工法の木材
COP28(国連気候変動枠組み条約会議28)でまた化石賞をもらってしまった日本。
まだまだ、欧米に比べてCO2 削減に消極的とみられているようです。
国内的には住宅の省エネ義務化(2025年)など、改革を行っているのですが、
他の先進国に比べて歩みが遅いと見られています。
木造住宅は鉄骨やコンクリート住宅と比べると木材自体がCO2を固定化する為、
環境貢献効果の高い構造材料とみなされます。
そのゆえ、木造建築は以前にも増して世の中から求められ、普及するでしょう。
日本国内の木造住宅には在来工法と2×4工法がありますが、地産地消と言う意味では、
在来工法が国産材を主に使う工法ですので、より環境に良いイメージがあります。
しかし、2×4工法も劣ってはいないどころか、環境貢献効果は高いのです。
2×4住宅の間柱や梁などの構造材はカナダからの輸入材がほとんどの為、
環境負荷が大きいと思われがちですが、実は違います。
地球温暖化のCO2の問題は、地球規模でのCO2排出量が問題となっているわけで、
伐採した木材を加工し運んで家を建てるまでの総量。
即ち、伐採・製材・運送・建設までのトータルなCO2排出量の比較が必要です。
そのことをカーボン・フット・プリントと呼びます。
日本の木材は急峻な山から少量ずつ切り出し、麓までトラックで運び、乾燥し製材。
製材された木材を再びトラック輸送にて現地の加工工場へという流れです。
一方カナダの森林は比較的に平坦な地形、それも真冬のカチンコチンに凍った山林の中で
重機から出ることなく伐採し、大量輸送が可能な連結トラックにて輸送するなど
効率と言う面では太刀打ちできない大量生産が可能なシステムになっています。
また、カナダの森林はこの先100年の伐採・植林計画が国で定められていて、
今現在の伐採も※二次林以上の森からの伐採であると言われています。
※ 二次林とは植林されたもの
即ち、全て計画・監理された中での木材利用であり、
未来に向けて持続可能な森林経営がなされています。
各国の森林資源の持続可能性を担保し管理することを証明する「森林認証」を比べると、
カナダは2位の米国の4倍でダントツ一位です。残念ながら日本の森林はここに出て来ません。😢
20年以上前ですが現地を視察した経験があります。
その製材所は規模も巨大で一つの町が出来ているような場所でした。(Mackenzie, BC)
製材後の皮や木端も隣接するパルプ工場にベルトコンベヤーで運ばれ、
木材を無駄なく使いきるシステムが構築されていて、
日本とは比較にならないと感じました。
温暖化は地球規模の問題なので、地球全体で最適化されれば良いのではないか?
それなら、木材は外国産でも適切に管理されサスティナブルで環境に負荷のないもの。
カナダの木材産業なら、
その木材を使って家を建てる事は地球環境にとってもベターなのではないかと考えます。
カナダ林産業審議会(COFI)では、日本の2×4住宅に対して情報発信を行っています。
最近の情報誌(SPFが支える日本の木造建築)の中で、
「カナダ材で建てた日本の住宅のカーボンフットプリント」についての記述があります。
それによると、関東に建てた35坪の2×4住宅は約10トンのCO2 を固定化すると書かれています。
これは外国でも、海上輸送によって大量に運ばれるカナダ産木材ならではの効果ですね。
地産地消ではないけど、地球環境に負荷のない方法で家を建てるなら2×4住宅かも知れません。☘️
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