小屋裏エアコンは難しいのか?
今年の梅雨明けは早かったと言うか、梅雨がほとんどなかったです。
6月後半に猛暑日が続き、7月に入ると曇りや雷雨の日があったり、
今は水蒸気が多くムシムシ感があり「戻り梅雨」などと言われています。
こんな日は、家中が快適になる小屋裏エアコンを稼働して家でのんびり
寛ぐのも悪くありません。
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6月後半に聖一色モデルハウスの小屋裏エアコンを動かし始めました。
打合せやモデル見学など、頻繁に利用していますが、2階の各部屋も
設定温度(25℃)通りの室温で安定し、湿度も50%前後で快適です。
小屋裏エアコンは弊社の全館空調システムの「夏」を担う全館冷房システムです。
「冬」を担う全館暖房システムには、床下に仕込んだ別の床下エアコンを使用します。
全館空調について
当社の全館空調は普通のエアコンを2台設置し、季節に応じてどちらか1台を運転して実現します。
冬の暖房の場合、暖かい空気は上昇する性質を利用して、床下に設置したエアコンから暖気を床下に放出。
床のガラリを通して家全体を暖房します。夏の冷房の場合、冷たい空気は落下する性質を利用し、2階ホールの天井付近か小屋裏部屋にエアコンを設置。
2階の各部屋と吹抜け(階段以外に吹抜けがあれば尚良い)を経由して家全体を冷房します。また、どちらの場合も全熱型の熱交換換気システムを同時に運転することで、湿度の調整も行います。
『小屋裏エアコンは難しい』で検索するとたくさんの記事が出て来ます。
内容は、
(1)冷気を各部屋に分配できない
(2)設定温度通りの温度にならない
(3)逆転結露が心配
などです。
理由として、床下エアコン暖房の様に幾つかの工夫(気密性能と基礎断熱、
それに床下の空気の流れを阻害する基礎の立上りレイアウト)で解決できない
自然現象の難しさがあるためです。
(1)冷気を各部屋に分配できない
ダクトと送風ファンを使って各部屋に冷気を分配する方法を取る場合、
ダクト内の汚れやカビが心配になります。
(2)設定温度通りの温度にならない
室温が設定温度になる前にエアコン本体のセンサーが働いてしまう。
或は、戻り(リターン)空気が取り込めず、場所により温度ムラが生じる。
(3)逆転結露が心配
気温30℃相対湿度80%の外気が壁や屋根の断熱材に侵入すると室温26℃で
露点に達してしまう計算になり、エアコンのある小屋裏の壁や屋根の中で
逆転結露を起こしてしまう。
(実際は、外気がそのまま壁や屋根内に侵入する訳ではなく、露点温度ももう少し低い温度と考えれるるが、
小屋裏を冷やさないと下階に冷気を届けられないので、出来れば20℃程度までは下げたい。)
上記の例では、壁の中の空気が28℃・相対湿度70%の場合、室温19℃以下で壁内の室内側が結露する。
特に(3)の逆転結露には注意を払わなければなりません。
弊社モデルハウスでは、通年での壁内・屋根内の温湿度を計測しており、
季節によって外気の影響がどの様に構造体、特に壁や屋根の内側に影響が
あるか調べています。
この様に小屋裏エアコンで全館冷房する場合、湿度と温度、冷気の届く距離に
難しさがあります。
この全てを解決するには、温度と湿度と流量(送風量)を適切にコントロール
しなければなりません。
その為の技術として、
(1)透湿性のある気密施工
(2)透湿性のある屋根防水と通気層
(3)外だし室温センサー
(4)流量(送風量)コントロール
がなければ、小屋裏エアコンを実現できないのです。
やっぱり、小屋裏エアコンは難しいですね。
でも、サンキハウスでは実現していますよ。☘️
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