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木造住宅の価格高騰—2025年に至る実態と背景

はじめに|家づくりを考える人にとって無視できない“価格の変化”

「いつかは家を建てたい」「家族のために、安心できる住まいを」
そんな思いを持つ人にとって、ここ数年の物価高騰は決して他人事ではありません。

食料品やエネルギー価格の上昇は日常生活を圧迫していますが、その波は住宅建設にも確実に及んでいます。
特に木造住宅の建設費はこの10年で大きく変わり、家づくりを考える人にとって、**「今、なぜこれほど高くなっているのか」**を知ることは非常に重要です。

この記事では、2015年から2025年までの木造住宅価格の推移をたどり、その背景と、これから家づくりを考える私たちがどう向き合うべきかを解説します。

この10年で木造住宅はどれだけ高くなったのか

建設物価調査会や積算資料ポケット版の指標によると、木造住宅の建築費は2015年を100とした場合、2025年にはおよそ140まで上昇しています。

建築費指数の推移(2015→2025)

数字だけを見ると「高くなった」という印象が強いですが、その背景には、住宅性能の進化と暮らしの質を向上させるための投資が含まれています。

木造住宅価格高騰の3つの背景

① 省エネ性能の向上が標準に

2025年4月から省エネ基準への適合が義務化され、高断熱・高気密住宅が当たり前の時代になりました。
断熱材やサッシなど、これまでオプション扱いだった高性能部材が標準仕様になり、初期費用は確かに上がっています。

しかし、その分光熱費を大きく抑えられ、長期的に見れば**「家の燃費が良い=暮らしのコストが下がる」**時代に変わっています。

ツーバイフォー・ツーバイシックス工法は、壁そのものが断熱構造として機能するため、こうした性能向上に適した工法です。

② 質の高い家づくりへの需要増

「どうせ建てるなら、長く快適に住める家を」という考えが一般的になりました。
耐震等級3や高断熱等級6の家を選ぶ人が増え、安全で快適な暮らしを求めるニーズが価格に反映されています

ツーバイフォー・ツーバイシックス工法は、壁全体で力を受け止めるモノコック構造のため、耐震等級3を取得しやすいのが特徴です。
高騰したのは「ただ値段が上がった」のではなく、“価値が上がった家”を選ぶ人が増えた結果だと言えます。

③ 人件費と施工技術の高度化

高性能住宅を確実に施工するには、専門知識と技術が必要です。
職人不足が続く中でも、正しい施工を行える技術者が求められる時代になりました。

ツーバイフォー・ツーバイシックス工法は、構造が合理的で品質管理がしやすいとはいえ、性能を最大限に活かすには適切な施工が欠かせません。
そのため、技術者への需要が増え、人件費も上昇しています。

2025年4月の建築基準法改正の背景と家づくりへの影響

2025年4月に施行された建築基準法改正は、木造住宅価格に影響を与える要因のひとつです。
ただし、それは単なる規制強化ではなく、「長く安心して暮らせる家」を標準化するための前向きな改正です。

背景①|省エネ住宅の普及と脱炭素社会への流れ

エネルギー価格高騰やカーボンニュートラルの推進により、住宅にも省エネ性能が強く求められるようになりました。
これまで努力義務だった省エネ基準が義務化されたことで、光熱費が安く、快適に暮らせる家が社会全体で標準になることが期待されています。

背景②|耐震性・安全性のさらなる強化

大規模地震が続いたことを背景に、耐震等級3レベルの安全性が事実上の標準となりました。
ツーバイフォー・ツーバイシックス工法のモノコック構造は、こうした流れに最適な工法であり、法改正はむしろ工法の強みを後押ししています。

背景③|「見える性能」が求められる時代に

改正後は、C値(気密)、Ua値(断熱)、耐震等級といった数値で示せる性能が重要視されます
高性能住宅の実績がある工務店ほど信頼されやすくなる時代です。

価格高騰時代でも賢く家づくりをする方法

補助金を積極的に活用する
高性能住宅ほど補助金が利用でき、初期コストを軽減できます。

性能とコストのバランスを見極める
ツーバイフォー・ツーバイシックス工法なら、壁構造が高性能化しやすくコストパフォーマンスが高いです。

信頼できる施工会社を選ぶ
実績が豊富な工務店に相談することで、無駄なコストを省けます。

まとめ|高くなったのは「性能と安心」を買う価値

確かに10年前に比べれば、木造住宅は高くなりました。
しかし、その多くは**「より快適で安心できる暮らしを手に入れるための投資」**です。

特にツーバイシックス工法の家は、省エネ性能・耐震性・コストパフォーマンスをバランス良く備えた、これからの家づくりに適した選択肢です。

「安さ」だけでなく、“これからの暮らしの質”を基準に選ぶ時代に、どんな家を建てるかが問われています。

投稿者プロフィール

伊豆川達也
伊豆川達也宅地建物取引士