壁の強さは数字だけでは表せない
先週の投稿にコメントを戴きました。ありがとうございます。😌
今週はその続きになります。
先週の「工法が違えば同じ耐震等級3でも強さは違う」では単純に壁量の比較をしましたが、
壁量だけで強さを比較するのは正確ではありません。壁の質も建物全体の強さに関係するからです。
壁量計算に使われる数値は壁の長さと壁の強さ(壁の質)の二つです。
この壁の強さを表すのが壁倍率と言われるものです。
下図では、2×4工法と在来工法の壁の違いをイラストで表しました。
2×4工法は壁の外側に合板を、内側(室内側)には石膏ボードを張りますが、この仕様で壁倍率4.0となります。
在来工法の場合は、筋交いをダブル(X状)にすることで壁倍率4.0となり、数字的に強さは同じです。
ここで考えて戴きたいのが、断熱材の入れ方と断熱性能についてです。
2×4工法の壁の場合、四角に区切られた枠の中にプレカットされた断熱材が綺麗に収まります。
しかし、在来工法ではX印の間にカットした断熱材を入れなければならないだけでなく、筋交いの交差したところと片側だけのところでは断熱材の厚みも違います。
木材は断熱材ほど保温性がなく、外部の温度を室内に伝えてしまうので、熱橋(ねっきょう)と呼ばれ、できるだけ少なくしたい部分です。
ですから2×4工法と在来工法では、断熱材の種類にも向き不向きがあります。在来工法ではグラスウールなどのマット状の断熱材は使いづらいのです。
強度についてはどうでしょう。
同じ壁倍率4.0でも斜めに渡された木材と一面に張った合板と同じ作用で耐えるのでしょうか?
昨年の熊本地震で多くの在来工法の建物で倒壊の被害がでました。
写真を見ると、筋交いの部分で外壁を外側に跳ね飛ばし、筋交いが折れてしまい傾いている建物が多くありました。
同じ壁倍率で同じ耐震等級である2×4工法と在来工法。
数字が同じでも、地震の時の作用は違うようです。
阪神淡路大地震以来、日本列島を襲った幾度もの大地震で倒壊被害がゼロの2×4工法が安心できると思いますが、いかがですか?☘️
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