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これが最低限! ~断熱等級6と気密0.5が守る、冬の快適と建物寿命~
今年の夏は例年以上に長く、記録的な暑さとなりました。気象予報によると、その反動でこの冬は寒さが厳しくなると言われています。
そこで今あらためて考えたいのが、「家の断熱性能」と「気密性能」です。
義務化された断熱等級4では、まだ寒い
2025年4月から、すべての新築住宅で断熱等級4が義務化されました。
しかし、この水準はやはり“最低限以下の基準”であり、冬の快適性を保つには全く不十分です。
2030年に義務化予定の**等級5(ZEH相当)**でも、実際には熱が逃げやすく、光熱費もかさみます。
一方、断熱等級6と高気密を実現すれば、エアコン1台でも家全体が快適に保たれ、暖房費を抑えながら人にも建物にも優しい住環境が手に入ります。
「全館暖房」が家の寿命を左右する
冬に家全体を暖める「全館暖房」は、人の快適さだけでなく建物の耐久性にも大きく関わります。
断熱性能が低い家(断熱等級4)や、気密性能C値が1.0を超える住宅では、家の中に大きな温度差が生まれます。

エアコンの風が届かない部屋や押し入れでは湿気がこもり、結露やカビの原因になります。
たとえば、外壁に面した押し入れの中がカビ臭くなったり、壁紙が縮んだりするのはその典型的な症状です。
“家の衰え”を加速させる原因
その理由は大きく2つあります。
(1) 断熱・気密不足による外気侵入
床下や屋根、壁の隙間から冷たい空気が入り込み、エアコンの熱が逃げてしまいます。
さらに、「気流止め」が施工されていない住宅では、床下の外気が壁の中に流れ込み、壁内結露や劣化の原因にもなります。
(2) 温度ムラによる空気層の発生
気密が悪いと、暖かい空気は天井付近に滞留し、足元は冷えたまま。
部屋の上下で温度差が生まれ、空気の層ができることで暖房効率が極端に悪化します。この現象が続くと、部屋の隅や押し入れなど温度が低い場所に湿気が溜まり、壁内結露やカビの発生を促します。
性能のバランスが大切
気密性能が悪い住宅では、
- 隙間風が侵入する
- 空気の層ができる
- 押し入れやクローゼットとの温度差が大きい
- 結露が発生しやすい
- 冷暖房効率が悪く、光熱費が高くなる
という悪循環に陥ります。
逆に、断熱等級6+C値0.5前後を実現すれば、40坪程度の住宅ならエアコン1台で家中を冷暖房できるようになります。

一挙両得の家づくり
冬は基礎断熱による床下エアコン暖房で家全体をやさしく暖め、
夏は2階ホールの壁掛けエアコンで全館冷房。
人にとっては隅々まで快適で、家にとっても結露のない“健康な環境”。
省エネで高耐久――まさに一挙両得の家づくりです。
これから家を建てるなら、「断熱等級6」と「C値0.5」をセットで考えること。
気密と断熱、どちらか一方では“本当の高性能住宅”にはなりません。
快適さも、省エネも、家の寿命もすべてがつながっています。
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- 宅地建物取引士
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