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地球温暖化時代の住まいに求められる「屋根の備え」~牧之原市の竜巻被害から考える~

先日、静岡県牧之原市で大規模な竜巻被害が発生しました。
屋根や外壁が突風で破壊され、住まいを失った方々の姿は私たちに大きな衝撃を与えました。

ここ数年、日本各地で竜巻や線状降水帯による豪雨といった「これまで想定していなかった規模の災害」が頻発しています。地球温暖化によって大気が不安定になり、突風や台風被害は今後さらに増えると考えられます。

突風で屋根が飛ばされると…

屋根が突風で持ち上げられてしまうと、ただ雨漏りするだけでは済みません。
室内は一気に雨ざらしになり、建物自体の耐久性も急激に損なわれます。2019年の千葉台風の際、屋根が壊れブルーシートで覆われた家々の光景は、まだ記憶に新しいところです。

出展:https://www.nhk.or.jp/shutoken/chiba/
出展:https://www.asahi.com/articles/
出展:https://www.examinerlive.co.uk/news/

屋根はどう固定されている?

一般的な屋根の△型(三角屋根)は、壁や桁の上に**垂木(たるき)**と呼ばれる木材を載せ、ビスで留めて構成されています。
しかし、通常のビス止め1本だけでは、突風や竜巻のような想定外の強風には耐えられません。

強風対策の決め手「ハリケーンタイ」

そこで登場するのがハリケーンタイ。アメリカで生まれた金物で、日本語にすればまさに「台風帯」です。

ハリケーンタイは金属の帯で垂木を横からしっかり押さえ込み、さらに下の壁にも固定します。
片側4本ずつ、計8本の専用釘を打ち込むことで、強風による屋根の浮き上がりを強力に抑えます。

当社の2×4および2×6住宅では、このハリケーンタイをすべての垂木に施工しています。
だからこそ、突風や台風といった極端な気象現象にも安心していただけるのです。

ハリケーンタイの施工図

これからの家づくりに求められること

牧之原市での竜巻被害を教訓にするなら、これからの家づくりは「過去の災害を基準にする」のではなく、これから増えるであろう災害を前提にする必要があります。

  • 強風に耐える金物施工
  • 屋根と構造を一体化させる工夫
  • 高気密・高断熱による快適性と同時に、耐久性を守る設計

地球温暖化の影響で、これまで「まさか」と思われていた規模の災害が日常的に起こり得る時代です。
だからこそ、「屋根が飛ばされない」ための確実な施工が、家族の命と財産を守る第一歩になるのです。

まとめ
静岡のように温暖で比較的穏やかな気候と思われてきた地域でも、竜巻や強風被害は現実に起こっています。
これからの住まいには、従来の常識を超えた「災害に強い施工」が欠かせません。

投稿者プロフィール

伊豆川達也
伊豆川達也宅地建物取引士