4月からJAS材が貴重になります
今回は2025年4月の建築基準法改正が与える影響について考えます。
「4号建築物の廃止と特例の縮小」によって構造審査が変わり、
提出書類が増えたり審査期間が長くなって混乱すると言われています。
また、省エネ基準の適合義務化も始まり、全ての住宅に外皮(断熱)計算と一次エネルギー消費量も求められ、
それにも手間取るでしょう。
確かにそれも問題ですが、
今回の構造審査の中身を見るとより大きな影響がありそうなのが、JAS材だと思います。
JASとはなにか?
JASは日本農林規格のことで、飲食料品、農産物、林産物、畜産物、水産物などの品質や成分、生産方法、管理方法、サービスなどの基準を農林水産大臣が定める国家規格です。
国が認めた登録認証機関から認証を受けると、その証しとして日本農林規格を満たす製品や広告等にJASマークを表示することができます。
木材のJASは製材や集成材、合板などの建築材料を格付けし、強度認証された製品にスタンプされる仕組みです。
しかし日本国内で流通している、特に製材はこのJAS認証を受けていない、いわゆる無等級材が大半なのです。
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出展:林野庁
上の表の製材の行で、格付率が13%となっていますね。
他の行、集成材やCLTなどは90%程ですから、製材が突出して少ないです。
これは何を意味するのかと言うと、
現在、在来軸組工法で使われている木材は無等級材が大半ですが、4月からの法改正では格付のない木材は
強度計算で不利になるため、使われなくなるのではないか。
その為、JASの格付のある製材に需要が集中するのではないかと考えています。
強度計算が厳格になる理由は、
最近の窓の重量化(ペアやトリプルガラスが増えて)や太陽光発電パネルの設置などで、
建物の重さが増していますが、それを考慮せず建てている現状があります。
構造計算(許容応力度)を行っている場合は、建物の重さを設計重量として考慮しますが、
壁量計算の場合は、いわゆる「重い屋根と軽い屋根」しか重さを考慮する部分がありませんでした。
しかし、4月以降は厳密に建物の重さを考慮して、それを支える柱の小径を決めることが必須になります。
その際、柱材の強度が必要なのですが、無等級材の場合は一律で低い強度になっているため、
JASの格付けのある柱材が重宝される(柱を細くできる)と考えられます。
ちなみに、2×4材は100%でJAS格付を取っていますので、
13%はその2×4材を含んでの数ですから在来軸組工法の木材だけですと、数字はより小さいと思われます。☘️
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- 宅地建物取引士
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