世界は間に合うのか?
前回の「あと5年、間に合うのか?」では、日本のCO2削減目標について考察しました。
日本は宣言にほぼ沿った内容で推移していますが、
家庭と業務部門の建物に関するエネルギー消費が目標値を超えていました。
そこで今回は世界ではどうなっているのか?を考えて行きます。
提示したグラフで解るように、日本のCO2排出量は世界6位です。
では他の5か国と共に過去からの推移を見ましょう。
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出展:ガーディアン
米国とEU、日本はグラフが下がり勾配ですが、インドとロシアは上がっていて、
中国の急上昇がすごいことになっています。
上位6か国(EUは加盟国全体)で世界全体の68%を占めていて、日本は全体の3%。
中国の排出量が突出していて全体の32%です。
最近の異常気象は地球温暖化の影響であることは世界の常識と思いますが、
この状況を改善するため生まれたのが国連気候変動枠組条約(UNFCCC)です。
今までのこの会議の主な成果と内容を見てみましょう。
国連気候変動枠組条約の主な成果
年 | 会議名 / 取り組み | 主な成果・内容 |
---|---|---|
1992年 | 国連気候変動枠組条約(UNFCCC)採択 | 気候変動対策の国際的枠組みを設定。地球温暖化の抑制を目的とする。 |
1997年 | 京都議定書(COP3) | 先進国に対し、2008~2012年の間に温室効果ガス排出量を1990年比で平均5.2%削減する義務を設定。 |
2009年 | コペンハーゲン合意(COP15) | すべての国が自主的な排出削減目標を提出することを求める。1.5~2℃の気温上昇抑制目標を設定。 |
2015年 | パリ協定(COP21) | すべての国が参加する法的拘束力のある合意。気温上昇を2℃未満(1.5℃目標)に抑えることを決定。各国が自主的削減目標(NDC)を設定し、5年ごとの更新(GST)。 |
2021年 | グラスゴー気候合意(COP26) | 石炭火力発電の「削減」に合意。各国の排出削減目標(NDC)の強化(5年ごとより頻繁に)を要請。 |
2022年 | シャルム・エル・シェイク合意(COP27) | 「損失と損害」基金の設立決定(気候変動による被害を受ける発展途上国を支援)。 |
2023年 | ドバイ合意(COP28) | 初のグローバル・ストックテイク(GST)を実施。化石燃料削減の国際的な合意を促進。 |
この中で重要なのは、COP21のパリ協定で決まった5年ごとの評価(GST)です。
そして、COP28で初めてGSTを実施しました。
その結果を鑑み2025年2月までに各国が新しい排出削減目標(NDC)を表明することになっていて、
2025年11月のCOP30(ブラジル)で今後の取組みを更新、強化する予定です。
さて、問題は米国です。
トランプ大統領が就任し、早々にパリ協定から離脱。
しかし、バイデン前大統領が昨年12月の任期中、
米国の排出削減目標(NDC)を国連に提出しているのです。
この結果は早々に周知されることになります。
2025年のCOP30では米国抜きでの開催になりますが、
結果は世界に公表され、米国内にも影響を及ぼすと思われます。
そして次は中国です。
世界全体の3分の1強のCO2を排出していて、なお増え続けています。
米国が離脱した今、習近平総書記は世界に対して意地を見せるかも知れません。
劇的にCO2排出量を減らすことができるかも。中国の体制なら可能かもと思ってしまいます。☘️
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- 宅地建物取引士
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