研究を重ねて…Sanki Style ができるまでのヒストリー

カナダの2×4との出会い

子供の誕生を機に地元(静岡)に帰ってきた私は、家業を継ぎ、それまでの仕事とは畑違いの建築・不動産業に身を置くことになりました。当時はバブル景気の余韻があり、円高も進んでいたので「輸入住宅」が脚光を浴びていました。そこで私はカナダから住宅を輸入することにしました。
港についたコンテナから構造材や住宅建材を搬出し、現場に運搬、カナダ人大工が施工を行うという「パッケージ輸入住宅」を始めたのです。

カナダ政府は、建材の輸出に積極的で、私たちが建材を輸入することやそのあとの施工に対して手厚いサポートがあり、家業を継いだばかりの私は、この方法なら、無理なく、かつ、技術力の高い家を建てられると考えて、この道を選択したのでした。

工法は日本でも当時三井ホームを始め多くのメーカーが採用している2×4工法(ツーバイフォー)です。それまでも日本の2×4工法は勉強しておりましたので、大体の作業は分かっていました。しかしカナダ人大工のそれは日本の2×4工法とは全く異なるものでした。

裸の分厚い断熱材や防湿フィルム張り、屋根の木質トラスやI型ビームによる床組など、知らないことばかりで、とても驚きました。

北米は、過酷な土地が多いので、断熱性能をあげて外気の影響を受けにくくすること、気密性能をあげて、室内と屋外の空気の出入りを極力なくすこと、の二つ技術(高気密・高断熱)で、快適な住環境を整えているのだと納得しました。

結露がなくカビの心配がないということは、建材の傷みが少なく、新築当時に近い良いコンディションが長い期間保てるようになります。

また、カナダの2×4には、直し安さ、設備の交換のし易さにも優れたところがあり、傷んだところだけを交換することが可能なため、手を入れながら長く暮らせるのだとわかりました。

アメリカで感じた疑問は、カナダの2×4に出会うことで解決したのです。

こうして、カナダの2×4が当社の標準仕様となりました。